この記事では VEGAS Pro14からのProRes書き出しに関するAppleの承認問題について、私が調べた内容を紹介しています。
はじめに
先日投稿した「Win環境からProResが書き出せると話題のVEGASを購入!」の記事において、一点 非常に大事なポイントが未確認のままでした。
「Apple ProRes の使用が承認されている製品」のページに、MAGIX社の名前も、VEGAS Proの名前もないのです。
Apple ProRes の使用が承認されている製品
Apple ProRes の使用が承認されている製品について説明します。
要するに「Apple未承認なんじゃねえの?こんなの使って大丈夫!?」という疑惑が、頭から離れなかったわけです。
ソースネクストの回答
そこで、国内代理店のソースネクストに直接問い合わせたところ以下のような返事でした。
ProRes-MOV対応につきましては、MAGIX社独自仕様により、QuicktimeなしでMOVに対応しておりますので、Appleの正規ライセンスに基づくものではございません。
なんと「Appleが正規ライセンスしたものではない」というわけです。
そんなんで大丈夫なのか!? と疑問に思い、今度はAppleに確認することに。
しかし、「Apple ProRes の使用が承認されている製品」ページに記載されたアドレス(ProRes@apple.com)にメールを送ってもナシのつぶて・・・
そこで、Apple「Pro apps」のサポートページから、問い合わせてみることにしました。
Contact Apple Support
Contact Customer Support
Apple公式サポートへ電話
「Pro apps」のページから問い合わせを行うと、数分で公式サポートから電話がかかってきました。
電話で状況を説明すると、先方が担当部署と確認をとってくれ、10分ほどで回答となりました。
わたしの質問
私の質問は以下の3点(※1)。
- 「Apple ProRes の使用が承認されている製品」のページに「VEGAS Pro」の名前がないが、未承認ということか?
- 未承認だとして、この状態で「VEGAS Pro」を用いてProResの書き出しを行うことはなにか法律に触れるか?
- VEGAS Pro以外の「Apple ProRes の使用が承認されている製品」に記載がない製品(FFmpegのものなど)でProResの書き出しを行うことはなにか法律に触れるか?
公式サポートの回答
公式サポートの回答は以下の通りでした。
- 「VEGAS Pro」のProRes書き出しはApple未承認である
- Appleとして使用はおすすめしないが ただし 法律的な問題は生じない
- Appleとして使用はおすすめしないが ただし 法律的な問題は生じない
(1)は既にソースネクストからもらった解答と一緒でしたので驚きもしませんでしたが、(2)と(3)に関しては ちょっと意外な回答でした。
私が勘違いしていたこと
その後、色々と話を聞いてみると「Appleの承認」という文言をめぐって、私がある勘違いをしていたことがわかりました。
これまで私が考えていたのは以下のようなことです。
しかし、サポートの話を総合すると「Apple ProRes の使用が承認されている製品」というのは、いわば「Appleが動作確認をしたアプリ」あるいは「Appleがエンコードの品質的にOKと認めたアプリ」というくらいの意味合いのようです。
「Apple ProRes の使用が承認されている製品」ページに記載されたアプリを使用すれば、Appleが認めた品質のエンコードができるよ。それ以外の未承認アプリについては、エンコードはできても、変な感じになっちゃうかもしれないよ・・・ということだったわけです。
それでもにわかには信じられず・・・再度確認
ただ、長年「Apple未承認=違法ソフト」の思い込みを続けてきた私は、自分自身で 公式サポートから説明を受けたにも関わらず、上記の回答がにわかには信じられませんでした。
そこで、以下のような仮説を考えてみました。
- (A) Appleのライセンスを受けずにProResエンコーダを作成することは違法(Appleの特許侵害など)である
- (B) しかし上記エンコーダを使ってユーザがProResを書き出す行為は合法である
この仮説に従うと、利用しているユーザは問題ないが、ソフトを開発しているMAGIX社はアウトということになります。
この時点で公式サポートに確認できたのは、あくまで「B」の部分に関することだけで、厳密には「A」に関しては確認がとれていません。
そこで、上記に関して再度サポートに電話してみました(※担当の方何度もすみません!)
すると、以下のような返答でした。
やっぱり違法性は無かった!
繰り返しになりますが「Apple ProRes の使用が承認されている製品」のページに記載されているのは「Appleが動作確認・品質確認を行った製品だから安心して使えるよ」という程度の意味だそうです。
なので、同ページの・・・
未承認の実装 (FFmpeg やその派生物の実装など) は、デコーディングエラーやパフォーマンスの劣化、非互換性、不安定な動作につながる恐れがあります。ProRes をエンコード/デコードする製品で、下表に記載されていない製品をお使いの場合や、該当製品の購入をご検討の場合は、ProRes@apple.com までご連絡ください。-「Apple ProRes の使用が承認されている製品」より引用–
という文言も、一見「違法ソフトを見つけたらココまで通報してくれよな!」という意味に思えますが、そうではなく・・・
ということなのだそうです。
まとめ
ということで、VEGAS Pro14のProRes書き出しに関して、あらためて確認しますと「Appleは未承認だが別に違法ではない」ということになります。
せっかく購入したのにどうしてくれんだよ! と一瞬あせりましたが、エンコードの品質など技術的な部分は別として、法律的には問題ないとのことなので、安心して使用することができます。
※VEGAS Proには 3つのバージョン(Edit/無印/Suite)がありますが、DVDオーサリングアプリや 音声編集アプリ、手振れ補正プラグインが付属するかどうかの違いだけなので、VEGAS Proの機能自体はどのエディションも同じものです。
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最近?になってAppleの承認ページに加わりましたねVegas Pro(バージョン19から?)
頻繁にチェックしてないのですが何か変化あったでしょうか。
記事の更新日が2020.07ですとその時点ではまだ未承認でしたよね。
コメントありがとうございます。
また、貴重な情報をありがとうございました。
最近はVEGASの状況を追うこともなかったので、Appleno承認ページに加わったことも知りませんでした。
2020年の時点では、まだ未承認だったと思いますが・・・