こんにちは、管理人の高田です(@eizo_memo)。
私の本業は映像制作なので、映像関連の技術的動向や流行などに関しては、それなりに勉強はしていますし、またVRやらゲームやら周辺業界の動向などにも目配せはしているつもりです。
そんな私が 勉強しようしようと思いつつ、なかなか手が出せずにいるのが「法律」の世界。
特に「著作権」に関しては、私のような人間にとって 知っておかねばならない必須知識のひとつでありながら、どうも理解があやふやな部分が多いのが実際…
こんなことじゃいけないんだけどな~と思っていたところ、ボーンデジタルさんから私のような人間にうってつけの書籍が発売されることになりました。
それがこちら「著作権トラブル解決のバイブル! クリエイターのための権利の本」。
どんな本なの?
その書名どおり、プロ・アマ問わずクリエイターが日々の業務や作業でぶち当たるであろう 著作権関連の疑問やトラブルなどを様々な事例と共に紹介しているのが本書。
本書を読むと、例えば こんな感じの疑問が解消します(※内容のごく一部)。
- 街並みなどで無関係の人が写り込んだ写真は使えないの?
- ウェブサイトのスクリーンショットは自由に使えるの?
- どの程度の引用なら許されるの?
- 納品した成果物の著作権はクライアントのもの?
- ライセンス条件に違反して制作を行った場合の責任は?・・・などなど
「外ロケでの写り込み事案」や「似顔絵の肖像権」といったこのての書籍ではお馴染みの事例から始まり、映像、イラスト、デザイン、WEBなどの様々な分野で実際に発生した裁判の事例が多数紹介されています。
また、プログラムコードのライセンスに関しても一章が割かれるなど、類書と比較して WEB・デジタル系寄りのクリエイターに向けて書かれた内容という感じ。
トラブルを事前に回避するための基礎知識はもちろん、実際に著作権侵害されてしまった/してしまった場合の対処方法なども紹介されています。
読んだ感想は?
「え? 弁護士じゃない人も執筆してるの?」
本書を手に取って はじめに思ったのがこれ。
7人の共著である本書で、法律のプロといえるのは、監修も務めている弁護士の小林剛大氏ただひとり。
そのほかの 執筆メンバーの経歴を見ると、WEBサイトのディレクターや、イラストレーター、デザイナー、プログラマーなど、法律とはどうにも無縁そうな方々ばかり。
大丈夫なのか?と訝りながら読み始めたのですが、読み進めるうちに 実はこの人選こそが本書の真骨頂だと納得しました。
- ギャラの支払い遅延や未払いを防ぐためにはどうする?
- 訴えてみよう(少額訴訟のやり方を具体的に紹介)
- 著作権侵害された場合、クリエイターはどんな請求ができる?
これらは、実際に執筆メンバーの経験から紹介されている事例の一部。
クリエイターゆえの目線で「そうそう、そこ知りたかった」な疑問や、抑えどころ、対処方法などが実際の事例をもとに紹介されていきます。
法律の世界というのは意外にもグレーゾーンが多く、解釈次第では白とも黒とも主張できてしまいます。しかし本書では そうした法解釈の説明よりも「実際にどうしたらいいのか」が具体的に解説されています。
法律違反しないための知識はもちろん、「炎上しないための知識」にも触れられているのが本書の特徴。
執筆者のうちの何人かは実際に著作権関連のトラブルに巻き込まれた経験があるそうで、実体験にもとづく対処法の紹介は 具体例を基に深く濃い内容になっています。
なかでも 少額訴訟のやり方を詳細に紹介するくだりには「なにも そこまで…」と 思わず唸ってしまいました。この部分を読むだけでも購入する価値があるかも知れません。
ブログやSNSなど、ネット経由で自分の作品や業績を公表することが当たり前になった現在。
自分の作品が権利侵害される可能性とともに、自分自身が知らぬ間に他人の権利を侵害している可能性もあります。
そのような事態に陥った際の適切な対応を知るためにも こうした書籍を1冊、お守り代わりに持っておくといいですね。
勉強になりました。
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