この記事では、Premiere Proから(簡易的に)ラウドネス値を指定して書き出す方法と、書き出した動画のラウドネス値を(簡易的に)計測する方法を、自分用の備忘録としてまとめています。
本来、動画ファイルにおける平均ラウドネス値は、コチラの記事(ラウドネスメーターを使用したオーディオの測定と管理【Adobe公式】)で紹介されているように、ラウドネスメーターなどを使用して丁寧な調整を行うべきかと思います。
ただ、そこまで音にこだわる必要がなく、「手っ取り早く 平均ラウドネス値を-XX程度にできればOK」といった スピード優先プロジェクトの場合に、この記事で紹介している方法が役にたつかも知れません。
ラウドネス値を指定して「書き出す」
事前に、Premiereで もろもろの音声(現場音、ナレーション、効果音、音楽など)のバランスを調整しておきます。
動画を書き出したいシーケンスを選択した状態で、「ファイル > 書き出し > メディア」をクリック。
書き出し設定画面が開いたら「エフェクト > ラウドネスの正規化」にチェックを入れ 各項目を入力。

・ラウドネス標準:ITU BS.1770-3
・目標ラウドネス:-XX LUFS ※ターゲットラウドネス値を入力
・許容範囲:XX LU
・最大トゥルーピークレベル:XX dBTP
以上で書き出しを行います。
Media Encoderで書き出す
Media Encoderからも、ラウドネス値を指定して書き出すことができます。Media Encoderの書き出し設定画面で 「エフェクト>ラウドネスの正規化」にチェックを入れ、各項目を入力します。

書き出しは以上です。
ラウドネス値を「計測する」
動画ファイルのラウドネス値は、Premiereの「エッセンシャルサウンド」パネルで確認できます。
ファイルを「アダプティブ」に設定する
計測する動画ファイルを読み込み、当該ファイルを右クリックし「変更 > オーディオチャンネル」を選択。

「クリップを変更」ウィンドウが開いたら、「プリセット>アダプティブ」を選択します。※後述の補足も参照

・プリセット:アダプティブ
・クリップチャンネル形式:アダプティブ
・オーディオクリップの数:1
補足
ここでのポイントは、動画ファイルをシーケンスに配置した時に、すべての音が 1つのトラック(1つのオーディオクリップ)にまとまる形式を選択することです。
ファイルをタイムラインに配置した時に、音声トラックが複数に分かれてしまう(モノラル複数チャンネルの場合 など)と、正確なラウドネス値が計測できません。

ファイルの音を1つのトラックにまとめることができる形式を選びます。


ラウドネス値を確認する
当該ファイルをタイムラインに配置し、選択状態にします。

この状態で「エッセンシャルサウンド」パネルを開き、会話・ミュージック・効果音 などのオーディオタイプのいずれかを選択します。オーディオタイプは、どのタイプを選んでも問題ありません(ここでは会話を選択)


「自動一致」エフェクトを適用&解除する
開いたらパネル内の「ラウドネス」項目にて、「自動一致」ボタンを見つけます。
ラウドネス値を計測するには「自動一致」ボタンを 一度適用し、その後で、解除する必要があります。※1

まずは、「自動一致」ボタンをクリックして、エフェクトを適用します。

すると 下図のように「自動一致」ボタンが点灯(ON状態になり)し、「-23.00LUFSのターゲットラウドネスに自動一致」と文言が表示されます。※この時点のラウドネス値(-23.00LUFS)は 正確な数値ではないので無視してください

続いて、今 適用した「自動一致」エフェクトを解除するために、もう一度 「自動一致」ボタンをクリックします。※リセットではなく自動一致をクリックします
すると、下図のように「自動一致」ボタンが消灯し(OFF状態になり)、「一致しない(分析するラウドネス -XX.XX LUFS)」との表示されます。

この「分析するラウドネス -XX.XX LUFS」部分が、この動画ファイルの平均ラウドネス値になります。 上図の場合、ラウドネス値は「-13.88 LUFS」ということになります。
参考
:ラウドネスメーターを使用したオーディオの測定と管理【Adobe公式】
:書き出し時のエフェクト ラウドネスの正規化の項目、「許容量」について
:一般社団法人 日本民間放送連盟
:【dBとLUFS】音量を揃える音量とラウドネスの基礎知識
:もう全編再生しなくていい!ラウドネスを一瞬で測る裏技!【PremiereProチュートリアル】※7:00~計測の解説
:なぜYouTube編集でラウドネスを意識すべきなのか。簡単な書き出し方法を紹介 【PremiereProチュートリアル】※6:25~書き出し方の解説
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