こんにちは、管理人の高田です(@eizo_memo)。
2016年6月4日に表参道ヒルズで行われたイベント『VRが映像業界にあたえる衝撃』を観覧してきました。
今回のイベントは「Short Shorts Film Festival & Asia 2016」に合わせて開催された企画のひとつで、近年話題になっている「VR」の現状を、映像業界の側から概説する内容。
VR製作に実際に関わる方々をゲストとして招き、現在の状況や今後の動向などが語られました。
ゲストスピーカー
当日 登壇されたゲストは以下の4名。
黒川文雄さん
株式会社ジェミニエンタテインメント 代表取締役。メディアコンテンツ研究家としての立場からVRの世界的な動向を解説。
浅井宣通さん
WOW inc クリエイティブ/テクニカルディレクター。
VR版『甲殻機動隊』のクリエイティブディレクターを務めた立場からVR製作の裏側を紹介。
富永勇亮さん
dot by dot inc. CEO/Producer。「進撃の巨人展 360°体感シアター “哮”」や「「カローラフィールダー」プロモーションイベントなどに携わった富永さん。
「今なら誰でもVRの世界で成りあがれる(意訳)」というメッセージが印象的。
吉田修平さん
ソニー・インタラクティブエンタテインメント ワールドワイド・スタジオ プレジデント。
2016年10月に「PlayStation®VR」の発売が控えるソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の吉田さん。
イベントの内容
前半はゲストそれぞれが携わったVR製作関連案件の個別事例の紹介で、後半は4人によるトークセッションでした。
3Dテレビの悪夢が再び?
司会を担当された『WIRED』日本版副編集長・年吉さんが真っ先に振った話題は「VRって、3Dテレビの二の舞になるんじゃないですか?」という刺激的かつ、みんなが心の底で感じている素朴な疑問。
苦笑しつつも、ゲストの皆さんがみな「その可能性は決して否定できないが・・・」というスタンスだったのが、私としては非常に好印象でした。
つまりそれは 「普通にやったらVRも3Dテレビと同じ運命をたどってしまう」という問題意識を、ハード製作者、ソフト製作者が共有できている・・・ということだと思いますので。
今から5年ほど前「次は絶対に3Dテレビが来ます!」と鼻息を荒くしている方をあちらこちらで多数見かけましたが、所詮、機材や設備を売りたい側が煽っているだけという印象が非常に強く、結果そのとおりになってしまいました。
昨年(2015年)久しぶりに訪れたInterBEEでも 3Dテレビ/カメラなどは 既に"無かったこと"になっており、思わず苦笑してしまいました。
「3Dの場合、従来のドラマ的文法やカメラワークを突き崩せなかったのが失敗の原因」と浅井さんが語っていましたが、私も同感です。
百年以上もの間「平面のスクリーン上でいかに奥行きを表現するか」を求めてきた「映像」の世界の文法・価値観を、そのまま3DやVRに持ち込むこと自体にそもそも無理があるはずで、作り手の側には、全くあたらしいアプローチと哲学の構築が必要だと思います。
さらにいえば、VRは「完全主観」の世界であり、「客観描写」がベースの映画・ドラマで確立された表現技法とは3D以上に相容れないもののはず。
従来の文法に縛られずに、VRの特性に即した表現方法を確立する・・・それが今後VR製作者に求められる技量だと思われます。
それはもしかすると 映像学校のようなところでカッチリ映像を学んだ層ではなく、"映像とはこうでなければいけない"という固定観念に縛られないタイプの出現を待たなければいけないのかもしれません。
一人社長にみるVR業界の可能性
また イベント内で最も印象に残ったのは、PlayStation®VRの発売に合わせて ソフトを開発しているデベロッパーに関するお話。
SIEの吉田さんによると、その多くが「一人社長」の中小企業なのだとか。
大手メーカは、いまだVRコンテンツの開発に対しては様子見状態とのこと。
逆に言えば数人程度で開発&リリースができてしまうコンテンツ制作のハードルの低さはVRにとって、大きなアドバンテージでもあるのだと思います。
まとめ
というわけで、イベント『VRが映像業界にあたえる衝撃』を観覧した感想でした。
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