こんにちは、管理人の高田です(@eizo_memo)。
11月18日からInterBEE2015(国際放送機器展)がスタートしたので幕張メッセに出かけました。
近年は PRONEWSさんの会場からの中継映像や、その後のリポートを観るだけで済ませており、2010年以来 実に5年ぶりに会場に足を運ぶことになりました。
記事の目次
あれから5年・・・
前回参加した2010年は「3Dが来るぞ来るぞ」と言われていた時期で、どこのブースを覗いても3D系の機器が幅をきかせていたものでしたが、あれから5年。
一部「裸眼3Dディスプレー」の展示などを除き、そうした過去はほぼ"無かったこと"になっている様子で 思わず苦笑してしまいました。
今年は4K/8Kといった高精細化と、HDRのような多階調化技術への対応を紹介するブースが多かったのですが、しかしそれ自体は特に目新しいものではありませんので(*2014年も4K/8Kがトレンドでした)、2020年あたりまでつづくであろう大きな流れの2015年現在の状況を垣間見れた・・・といった感じでしょうか。
個人的に気になったもの
今回は特に革新的な製品の発表があるわけでもなく、全体的に堅調というか地味なイメージでしたが、そのなかでも個人的に気になったサービスがいくつかありました。
クラウドストレージJector
株式会社ねこじゃらしさんが運営する、1Gb=20円から使用できる映像用クラウド・ストレージサービス「Jector」。
映像データをアップすると、元データとは別にプロキシ動画データが自動で作成され、ネット上で動画の再生ができるようになります。
映像チェックの際に、gigaFile便などを用いて 先方に動画データをダウンロードしてもらっていた方も多いと思いますが、Jectorを使えばネット上で再生しながら動画チェックができてしまうわけです(もちろんセキュアな状態で)。
ただ、それだけであれば「Youtubeの限定公開と一緒じゃん」という話なのですが、面白いのは、閲覧者がそのプロキシ動画上に 直接コメントや図などを書き込むことができるという点です。フレーム単位でのコマ送り/戻しも可能です。
CG系の製作管理ツール「SHOT GUN」にも同様の機能があるようですが、そこから制作管理的な機能を外して「動画チェック用途」に特化したもの・・・という感じでしょうか?
ちなみにエクセルなどの映像以外のデータのプレビューにも対応しています(参考:プレビュー対応ファイル形式)。
複数人のプロジェクトで動画をチェックをしたり、画質評価を伴わないクライアントチェックなどの際に便利ですね。
Harding FPAシリーズ(報映産業さん)
「パカパカチェック」でお馴染みの「Harding(ハーディング)」に、AvidMediaCompserと EDIUS向けのプラグイン版が登場したそうです。
タイムライン上の動画データに、通常のフィルタのように適用するだけで自動で解析を行い、また失格箇所を自動修正してくれる機能もあるそうです。
最終的な証明書の出力まではできないそうですが(後で変更を加えられる可能性があるため)、パカパカチェックに引っかかるかどうかを事前に確認できるようになります。
わたしも以前、スタジオに持ち込んだデータが、何度も何度もチェックにひっかかってしまい往生した経験がありますので、こういうのがあると便利ですね。
スタジオによっては、複数の会社でハーディングを共有して運用しているところもあるようで、時としてチェックが込み合い時間がかかったりすることもあります。その点、こうしたプラグインで事前チェックできるようになっていると、時間短縮に繋がるのでうれしいですね。
ちなみにお値段は50万円弱だそうです(※正確な金額は報映産業さんまでお問い合わせください)。
METAL TOYSさんの箱馬
電子機器が数多く展示される中で、撮影現場の必需品「箱馬」を販売するMETAL TOYSさんのブースに和まされました。
手持ちのジンバル付きカメラ「Osmo」
個人的には、ここ5年間の大きな技術的進歩として、安価かつ安定性のあるドローン撮影機器や、電子制御の「スタビライザー/ジンバル」の登場、というのが大きなトピックでした。
DJIのOsmoは4K撮影が可能な3軸ジンバル搭載の機種です。
ドローン「Phantom」シリーズでお馴染みになったDJIさんですが、私が前回訪れた2010年には、多分まだInterBeeに出店していなかったのではないかと思います。
他にもBlackMagicさんやGoProさんなど、この5年の間に海外企業が大きく躍進しましたね。
Atomosさんのブース
で、その中でも特に印象深かったのがAtomosさん。
実は 私が前回2010年に訪れた時は、ninjaの発売直前くらいのタイミングで、社長さん(だったと思う)が、モックを使って商品を説明をしてくれました(参考:InterBee2010の最大の収穫はAtomos Ninjaじゃないか?)。
で、そのとき時は本当に小さな3畳ほどの小さなブース(上の動画参照)だったのですが、あれから5年・・・
スペースは数倍に広がっていました。
DVStorm~EDIUSと利用してきた私としては、カノープス出身の社長さんが率いるatomosは ついつい応援したくなる会社のひとつです。
次回、InterBEEに出かけるのはおそらく2020年のタイミングになりそうです。
今から5年後、4K/8K放送が一般レベルでどこまで普及しているのか、また4K/8K以後に「ワクワクする映像体験」をもたらしてくれる技術とはどのようなものなのか、気になるところです。
まとめ
というわけで「InterBEE 2015」の感想でした。
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