こんにちは、管理人の高田です(@eizo_memo)。
先日、あるスタジオにProResデータを持ち込んだ際に「まさか」というようなエラーに遭遇しました。
発生した私の環境が「Mac OS X 10.6 Snow Leopard/FinalCutPro7.03/QuickTimeプレーヤー(ver7.6.6 プロ版)」という、今となってはかなりレガシーなものなので、どれだけの人に参考になるのかわかりませんが、ネットで調べてみても同様の症状の報告はなかったので、注意喚起のためココに記録しておきます。
エラーの症状
Final Cut Pro 7.03から、ProRes422HQ(1920x1080/60i)にて書き出した動画データを、QuickTimeプレーヤー(ver7.6.6プロ版)で読み込み、ビューアサイズを「表示 > 半分のサイズ」にして「ファイル > 保存(⌘ + S)」をする。
この状態で上記動画ファイルをADOBE Premiere(プレミア)で読み込むと、なぜか動画の画像サイズが960×540になってしまう。
つまり「プレーヤーのビューアのサイズ」を変更したら「元データのサイズ」まで変わってしまった・・・というお話です。
以下で具体的に説明していきます。
私の環境
まずエラーが発生した環境を記載しておきます。2014年現在、既に結構なレガシー環境ですね。
- MAC OS X10.6(スノーレパード)
- QT7(7.6.6)Pro版
- Premiere CS5
- ProResの書き出しエンコーダ FinalCutPro ver7)
エラー詳細
それでは、具体的なエラーの説明を。
1920×1080サイズで作成したProRes動画(ProRes422HQ 1920×1080/60i)を、QuickTime-7プレーヤで開きます。
「表示 > 半分のサイズ(⌘+0)」を選択。
画面サイズ(ビューワのサイズ)を、縮小して表示した状態で「ファイル > 保存(⌘+S)」を押す。
以後このファイルを「クリップA」と呼ぶことにします。
ちなみに、この状態でFinderの「情報を見る」で、詳細情報を確認すると以下のとおり。
詳細情報で「大きさ960x540」となっていますが、これはあくまでプレーヤーのサイズの話であって、元データのサイズではありません。
実際、この動画をFinalCutPro7に読み込んでも、普通に1920×1080サイズの動画として認識されます。
ところが、このクリップAをPremierePro-CS5に読み込むと・・・
シーケンスのサイズは1920x1080。本来はこのサイズに動画も表示されて欲しいのですが、なぜか一回り小さく表示されています。
サイズが自動調整されているのかと思って、確認しても「サイズ=100%」の状態。
当該クリップのプロパティを確認すると・・・
どうもPremiereには「960x540」サイズの動画として認識されてしまっているようです。
ただし、画像サイズが半分になりましたが データ量に変化はありません。単に内部的なメタデータが書き換えられているだけらしい、と推測されます。
ちなみに、再度QTプレーヤでビューワの大きさを拡大し(最大化し)、その状態で「ファイル > 保存(⌘+S)」を押せばサイズは復活。
Premiereでも「1920x1080」サイズで認識されるようになりました。ただし「縮小 – 拡大」の操作を数回繰り返すと、データ自体がエラーで開けなくなってしまいました。
動画ソフトの問題か?
上記クリップAを各ソフトに読み込ませると以下のような結果に。
- FinalCutPro 7・・・1920×1080サイズで読み込まれる
- PremierePro CS5(MAC/WIN)・・・960×540サイズで読み込まれる
- EDIUS 6.5(win)・・・データエラーで読み込めない
コーデックの問題か?
ちなみに、ProRes以外の形式でも同様のことがおきるか検証したところ「非圧縮10bit 422」「H264」などのファイルは、QuickTimeプレーヤー上でビューアサイズを変更しても、元データのサイズ(1920x1080)でPremiereで読み込めました。
QuickTimeプロの操作の問題か?
もしかして、QuickTimePlayerプロ版が、そもそもこういう仕様なのか?と思って調べてみました。
確かに、QuickTimePlayerプロ版の場合、ビューワだけで動画データのサイズ自体を修正できるのですが、それはあくまで以下のような手順の場合。
↑上記の説明に従って、実際にビューワサイズを変更後に、再度「プロパティ表示」を確認したが、問題なし。
↑こちらは、サイズ違いのムービーを別に書き出す方法。
いずれにしても「ビューアの大きさを変更すると 元データのフラグ自体が書き換えられる」といったような記述はありません。
原因に対する推測と対処措置
結局、原因は不明なのですが、トリガーになっているのは「QuickTime 7」と「QuickTime X」が共存するわたしの環境と、ProResというコーデックにあるのではないかと思います。
わたしが使用しているMAC OS X10.6(スノーレパード)では、もともとQuickTime Xがデフォルトインストールになっており、QuickTime 7は、別途(もしくはOSインストール時に)インストールする必要があります。
QuickTime 7とQuickTime Xは独立したソフトウェアである。Snow Leopardインストール時には、デフォルトではQuickTime Xしかインストールされない。QuickTime 7を使用するには、別途(もしくはOSインストール時に)インストールする必要がある。そういう意味では、QuickTime 7とXの共存は可能である。QuickTime 7インストール後は、QuickTime Xでサポートされない機能を使う時だけ、QuickTime 7が呼び出される。-wikipediaより-
わたしがあえてQuickTime 7を入れている理由は「7だと動画のタイムコードを表示できるから」という理由からだったのですが、今回のエラーを受けて、とりあえずの回避策として「書き出した動画はQuickTime 7で開かない」ということにしました。
まとめ
というわけで「QuickTime Player7(プロ版)」でビューワのサイズを変更すると元データまで変更されてしまうエラーでした。