Windows環境からProResが書き出せると話題のVEGAS14を購入!

【お知らせ】2017年9月に発表された「15」の検証記事も書いていますので、合わせてお読みください

「3RD EYE STUDiOS」さんの記事で知ったのですが、なんとVegas Proの最新版「14」で、Windows環境からも Apple ProResの動画ファイルが書き出し可能になったとのこと。

映像制作 | WindowsでProRes MOVを出力する方法 – 3RD EYE STUDiOS

街角の映像制作下請け零細業者のブログ

当ブログでも「Windows環境でProRes(プロレズ)が書き出せるエンコーダのまとめ」という記事をエントリーしていますが、これが本当ならちょっとうれしい事件です。

ヘッダ:映像

折りしも 日本の販売代理店「ソースネクスト」では、VegasPro14が激安価格で手に入るキャンペーンを開催中でしたので、早速購入して、簡単に挙動などを確認してみました。

はじめに

ProPresのエンコードを検証する前に、もろもろの基礎情報を確認しておきます。

ProResとは?

Appleが開発した映像コーデックで、優れた特性で広く普及しています。

MAC環境で読み書き可能なのはもちろん、Windows環境でも読み込みが可能なため、MAC環境からWindowsユーザへ動画データを受け渡す際に一般的なコーデックのひとつになっています。

ただし、Windows環境からの「書き出し(エンコード)」には基本的に対応しておらず、これまでは Appleも承認しているASSIMILATE社の「SCRATCH」のような高額なソフトか、マイナーな一部アプリからしか書き出しは行えませんでした。

管理人メモ
【追記】2018年あたりから、Premiere、EDIUS、AVIDなど主要な動画編集アプリでもWindows環境からのProRes書き出しが可能になりました。

VEGAS Proとは?

VEGAS Proとは、もともとSonic Foundryという会社が開発した 映像編集ソフトで EDIUSやPremiareなどの競合製品です。

その後 Sonic Foundryは ソニーの子会社(Sony Creative Software)に買収されたため、最近までVEGAS PROは「Sonyの映像編集ソフト」として販売されていましたが、2016年に、ドイツ「MAGIX」社が、開発・販売などを引き継ぎました(※詳しい経緯は3RD EYE STUDiOSさんが記事にされています)。

VEGAS Pro software in comparison to the VEGAS Pro family

No matter if you’re a beginner, an experienced filmmaker or a pro: everyone will find the video editing software that’s right for them.

ちなみに わたしの周辺では、このVEGASを説明するとき「海外において 日本のEDIUSみたいな立ち位置のソフト」といった言い方をよくしていました。

「FinalCutPro、Premiereという2大メジャー編集アプリの遥か後塵を拝する永遠の3番手」的な、ちょっとマイナーだけど小回りが利いてよく動いてくれる・・・という そんな感じのニュアンスですね。

安価なProResエンコーダの可能性!?

ProResへのエンコード目的のためだけにMAC Proを保持しているわたしのような人間にとって、今回のニュースは非常に大きなインパクトがありました。

先述のように、これまでWindows環境からのProRes書き出しは、ASSIMILATE社の「SCRATCH」を導入して 高価な使用料を支払うか(650ドル/年 ※約7万円強)、マイナーでちょっと怪しげなアプリを用いるしか手段がなかったからです。

それが、1万円程度で購入できる、それなりに歴史あるちゃんとした編集ソフトから書き出しができるようになるとすれば、導入しない手はありません。

とはいえApple未承認なので注意!

ただ一点注意しておきたいのが「VEGAS ProからのProRes書き出しはAppleが承認したものではない」ということです。

ただ、承認されていないからといって別に「違法」というわけではありませんので、ご安心を。

Appleの承認とは「当該アプリからのproRes書き出しについてはAppleがエンコードの品質を認めていますよ」「未承認アプリからの書き出しに関しては品質などの保証はできませんよ」といったくらいの意味合いです。

この件に関してAppleに問い合わせた際の内容を記事にしていますので、そちらもあわせてお読みください。

ヘッダ:Vegas

さっそく購入してみた!

というわけで VEGAS Pro14を購入!

とくに問題も無くインストールが終わり、さっそく書き出しを行おうと思ったのですが!

国内版からはProResが書き出せない!

なんとProResの選択項目が どこにも存在しません!

何度見返しても 見当たらず、慌てて「3RD EYE STUDiOS」さんの記事を再確認したところ、そちらには ちゃんと画像付きで「ProRes」の選択項目が掲載されています。

MEMO

【2017.07.05追記】国内版「14」の選択項目にProResが表示されない件に関して国内代理店のソースネクストに確認をしたところ、現在 未公表の「日本語版 ビルド211」では書き出せる旨の返答を頂きました。購入後にサポートからソースネクストに問い合わせると「ビルド211」の入手が可能です。【2017.10.31追記】ver15からは国内版でも書き出しが可能になりました

海外版にはProResの項目が!

そこで気づいたのが「3RD EYE STUDiOS」さんの記事で紹介されているのは、海外版(英語版)のVEGASだということ。

そこで、本家・Magix社のページにとんで「30-DAY Free Trial」版をダウンロードしてみました。

VEGAS Pro software in comparison to the VEGAS Pro family

No matter if you’re a beginner, an experienced filmmaker or a pro: everyone will find the video editing software that’s right for them.

こちらの試用版は、シリアル番号を入力するとロックが外れて製品版として使用が可能なタイプ。

試しに、SOURCENEXT(ソースネクスト)からもらった、日本版のシリアル番号を入力してみると、無事にアクティベートできました(よかった)!

そうやって、今度は、英語版VegasPro14を起動し、書き出し項目を確認してみると・・・

ありました!「MAGIX ProRes」の項目!

ちゃんと「Proxy」や「422HQ」「4444(XQ)」などが選べます。

サイズもDCI 4K(4096×2160)まで対応。

これで、無事に ProResが書き出せるようになりました!

書き出した動画を確認

とりあえずちゃんとProResとして書き出せているのか確認してみました。

MeadiaInfoで確認

書き出した動画をMeadiaInfoで確認したところ、ちゃんとProResとして認識されています。

MACのインスペクタで確認

MACの方にも読み込んでみましたが 特に問題なく読み込みできました。

FinalCutの「項目の情報」はこんな感じ。

とりあえず今回は、動画形式として「ProRes」の形で書き出せるというところまでの確認でした。

【2017.07.05追記】その後、画質やメタデータなどに関して詳細な検証を行いました。以下の記事も合わせてお読みください。

ヘッダ:Vegas

最後に

現状では「どうしてもProResで欲しい」と言われる状況がそれほどあるわけではありませんが、こういう手段もあるよ・・・という引き出しを増やす目的で、VEGAS ProからのProRes書き出しを簡単に検証をしてみました。

ただ、ProResにエンコードといっても、EDIUSから書き出す場合は・・・

  1. GrassValleyHQXなどで動画を書き出す
  2. HQX動画を ProResに書き出す

という形になるため、どうしても1回余計な圧縮がかかってしまうのが残念ですね(※2017.07.05追記:VEGASにGrassValleyHQを読み込むと輝度スケールが伸張することが判明・・・)。

ちなみに、まだ未検証ですが、PremiereやAfterEffectsのプロジェクトファイルを直接読み込めそうです。

これが可能であれば、プロジェクトから直接ProResへの書き出しが可能になりますね。

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