適切な文字間隔(スペーシング)とは? デジタルハリウッド大学の特別講義を受講

今から10年以上前、まだ私が右も左も分からない駆け出しのペーペーだった頃、とある映画の予告編制作の現場に、プロデューサー側のアシスタントという立場で参加したことがあります。

スタジオでのオンライン編集はスムーズに進み、最後に 予告編の一番最後に付く 出演者や監督などの名前を一覧で記載した「奥付」の制作に取り掛かりました。

あらかじめ用意したデータに従って人名データをコピーし、掲載順や 文字の間違いなどを再度確認。

"大分時間が余ったな~" などと思いながら「作業は以上でよろしいですかね?」と監督にお伺いをたてたところ、叱られました。

「これで終わり!? まだ"文字詰め"が全然できてないだろ!!」

はて?一体、なんのことだろうと思いつつ、その後の作業を見て驚きました。

監督の指示に従って、フォント同士の微妙な隙間を、縮めたり広げたりすること数分、奥付が"ちゃんとした人が作ったプロっぽい感じ"に生まれ変わったのです。

わずか数ピクセル、文字の位置を動かすだけで、こんなにも印象が変わるものなのか・・・それは、衝撃にも近い出来事でした。

「もし今後も、こういうクリエイティブな仕事を続けていくなら、こういう部分(字詰めなど)を疎かにしたらだめだよ。こういうところに気づけるか気づけないかが、ものすごく大事なんだよ。」

一連の作業が終わった後で、監督がかけてくれたその言葉は、今日に至るまで激しく胸に刻まれています。

それはさておき。

このようにして「文字詰め」の重要性に気づいて以降、地味に研鑽をつんできたつもりではありますが、なかなか理論的に学習する機会がありませんでした。

映像系に特化した文字組みの基本知識として、ayato@webさんの「文字テロップのデザイン」の記事を読み込みこんだり、あとは、デザイン系書籍でレイアウトについて書かれたものを読んだりする程度。

自分としては出来ているつもりだけど、果たしてこれでいいのだろうか? できれば書籍だけでなく 講義形式で知識を得られたらうれしいな~・・・などと考えていたところ、渡りに舟のセミナーが開催されることを知りました。

デジタルハリウッド大学の特別授業『ローマン体大文字のスペーシングを身体でつかむ』

講師は書体デザイナーとして活躍する小林章さん。「JT MEVIUS ロゴ」や「Sony SST」等、数々の有名企業のフォントデザインを担当されている方です。

平日ながら比較的遅い時間(19時45分~)からのスタートということもあり、即受講を申し込みました(しかも無料!)。

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講義は、紙に印刷されたアルファベットを切り貼りして、実際に文字詰めをしてみましょう・・・というシンプルながら刺激的な内容。

イラストレーター(adobe)なら一発なのに・・・などと思いながら、久方ぶりにハサミとテープを持ち、苦心しつつ紙をレイアウトしました。

自分ではうまく出来ているように思っていても、先生の講評を聴いて改めて見直してみると 変な隙間が空いていたり、反対に近づきすぎていたり・・・ 実際に体を動かして 文字間隔を体で学習する、貴重な体験です。

文字詰めの際に最初に着目すべきポイントや、文字間バランスを考える際のヒントなどは目から鱗の内容で、充実した1時間半でした。

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